メンデルが遺伝の法則を発見する以前では遺伝とは絵の具を混ぜるようなもので、例えば、赤い花と白い花をかけあわせるとピンクになって、もう分けることができなくなると考えられていました(融合説)。

この江戸時代末期のころのアサガオの版画を見ると、竜田葉紅柿絞風鈴組上車牡丹度咲という長い名前がついています。

この名前の意味は、竜田という5枚に切れた葉で、紅柿色の絞り模様で、風鈴のような花弁が上に飛び出していて、風車のような5つに切れた花弁の八重咲き(牡丹咲き)という意味です。

そのため、このアサガオは、花色以外では立田(maple)、台咲(crepe)、
牡丹(duplicated)という3つの性質(突然変異)が独立して結びついていることがわかります。これは、江戸時代の人が遺伝の法則を経験で理解していた証拠ではないでしょうか?




パネル作成者: 仁田坂 英二(理学研究院生物科学部門)