中国大陸から流れてきたたくさんの栄養塩を含む川の水と海の水がまざる東シナ海は、広く浅い海で魚がたくさんいることで有名なところです。しかし日本や周りの国が長い間たくさんの魚をとり続けたので魚たちは少なくなるいっぽうです。 |
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東シナ海は深さ-200mまでの広く浅い海が広がっています。
白い部分が200mより浅いところを示します。 |
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東シナ海ではいまでも100種以上の魚が獲られ、利用されています。下に代表的な魚の種類とその利用法が書いてあります。皆さんはどれくらい知っていますか? |
なまえ 成長、利用法などのデータ。 |
マトウダイ 10年で雄は36cm、雌は41cm。肉は白くて美しく,おいしい。刺身、煮つけ、ちりなどのなべ料理とされる。 |
ハモ 10年で35cm。6〜11月に多く獲れる。すし、天ぷら、かば焼、湯引き、吸物、ちくわやかまぼこの材料とされる。 |
ケンサキイカ 寿命は1年。雌はいちばん大きいもので41cm、雄は50cm。肉はおいしく、刺身、煮つけ、するめなどになる。 |
マサバ 3年で35cm以上。新鮮な魚として利用されるほか、かん詰や塩漬けになる。秋〜冬には脂が 増えて特においしい。 |
キグチ 5年で35cm。小さな魚はちくわやかまぼこの材料とされるが、中くらいやおおきな魚は塩焼き、天ぷら、あんかけなどにするとおいしい。 |
アカアマダイ 8年で雄32cm、雌29cm。肉は白くてやわらかく、塩干しや味噌漬けにするとおいしい。 |
イボダイ 4年で21cm。たくさん獲れるのは 9〜11月。肉は白くやらかくおいしい。おかずとしてして喜ばれる。 |
キダイ 7年で30cm。たくさん獲れるのは 9〜11月。高級おかずで塩焼、吸物、煮つけなどにされる。 |
ゴマサバ 3年で40cm。マサバより温かいところを好む。マサバと同じくおかずになる。マサバとくら べて肉がやわらかく,脂が少ない。 |
シログチ 6年で32cm。主に高級なちくわやかまぼこの材料とされる。また、ウキブクロからは魚膠(にかわ)ができる。 |
カナガシラ 5年で28〜30cm。カナガシラ類の中ではいちばん大きく、冬おいしい。主に塩焼き、天ぷら、吸物、煮つけなどにされる。 |
アンコウ 8年で雄28cm、雌34cm。親せきのキアンコウはアンコウより大きく、8年で雄 55cm、雌66cm になる。どちらも冬においしく、ちり鍋、あんこう鍋、湯引きなどにされる。 |
マナガツオ 全長60cmになる。高級おかずとされ、刺身、照り焼き、味噌漬けなどにするとおいしい。 |
マアジ 4年で30cm。干物用。新鮮なものは刺身用として喜ばれる。 |
タチウオ 7年で49cm。大きい魚は刺身、塩焼、煮つけなどに、小さい魚はちくわやかまぼこの材料となる。 |
メイタガレイ 4年で24cm。肉が厚く、煮つけなどにされる。 |
ヨロイイタチウオ 10年で58cmくらいになる。肉は白身で、おいしい。刺身、フライ、汁の具などにされる。 |
クロエソ 8年で雄が30cm、雌が35cmになる。エソ類はちくわやかまぼこの材料になる。 |
カイワリ 6年で22cm。主に2〜8月にかけてたくさん獲れ、肉はおいしく、おかずにされる。 |
魚に関する情報は主に「黄海・東シナ海の魚」(西海区水産研究所編)と私達の研究成果、その他をもとにして書いてあります。また、魚の図は長崎大学図書館所蔵のグラバー図譜のものを使用してあります。 |
限りある水産資源を末永くに守り利用するためには、資源の状態を正しく判断する(資源評価)ことが必要です。そのためには、対象となる魚について、年齢、成長、産卵、回遊などの生物特性や、資源量が環境や漁獲によって変わる仕組みを詳しく調べる必要があります。 | |
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(ご父兄の皆様、お子さまに説明してあげて下さい。) 東シナ海では、日本、中国、韓国の排他的経済水域が接していますが、そこで暮らす魚たちには国境はなく、これらの水域を自由に行き来しています。したがって、これらの水産資源を保護、管理するためには3カ国が足並みをそろえて共通の対策をとらないと、十分な効果は見込まれません。 「排他的経済水域」とは? ある国がほかの国に対して「海岸から沖合のここまでの海のなかの資源は私の国のものだ」と主張することのできる水域です。魚などだけでなく、海の底に埋まっている鉱物資源などについても同じようにあつかいます。たとえて言うなら「海の天然資源の国境線」ということになります。 |
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作成者 | 松山倫也 まつやまみちや (農学研究院動物資源科学部門) |