1)ツェツェバエ類 Glossina spp.
アフリカ睡眠病の病原体であるトリパノソーマという住血性の原生動物を媒介します。このハエは吸血性で人を刺す事により人は感染します。この病気に感染すると感染後2〜3年で末期症状を呈し、中枢神経が犯され歩行、言語障害、次いで昏睡になり多くは合併症を併発して死亡します。
2)ハマダラカ属 Anopheles spp.
マラリアの媒介者として知られています。わが国ではマラリア媒介能のあるシナハマダラカAnopheles sinensis
が重要です。ヒトの悪性マラリアで知られる熱帯熱マラリア(Plasmodium falciparum) もハマダラカの吸血によって感染するので熱帯、亜熱帯地方に旅行する場合は蚊の吸血に注意が必要です。
3)サシガメ類 Reduviid bug
中南米ではシャーガス病(アメリカ型トリパノソーマ症)の媒介者として知られています。感染サシガメがヒトを吸血するとその部位で糞をしますが、その糞便中に感染型の原虫(Trypanosoma
cruzi ) を混じていて、この原虫がヒトの皮膚や粘膜から感染します。
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