イネは日本原産ではありません。
そのイネが、なぜ日本で広く栽培されるようになったのでしょうか?

イネは野生イネと呼ばれる祖先種が栽培化されたものです。


イネの栽培化の地域についてはいくつかの説があります。

そのうちの一つの説では、アジアでは主にアッサム地方や中国雲南省等にまたがる地域で栽培化されたとされています。

その後、栽培イネが各地域に伝播しました。

アジアのイネは、生理・生態・形態的特性等からジャポニカとインディカに分類されます。

ジャポニカ型である揚子江系列のイネがやがて日本へ伝播したであろうと考えられています。

日本へは中国から直接または中国から朝鮮半島を経て九州に伝播したとされています。

唐津市の菜畑遺跡では日本最古の稲作跡が発掘されました。

この遺跡の発掘によって、縄文時代晩期には稲作が日本に伝播していたことが明らかにされました。

遺跡からは水田跡や農機具などと共に炭化米(展示品参照)も発掘されました。



パネル作成者: 熊丸 敏博(農学研究院遺伝子資源工学部門)