私たちが住んでいる地球はどのような生い立ちを経て、現在はどのような状況にあるのでしょうか。また、これからの地球にはどのような未来像があるのでしょうか。これは、固体としての地球だけでなく、それを広く取り囲む海洋や大気圏、惑星およびその空間、そして太陽系全体にまで及ぶ広い領域に関連する学問、地球惑星科学の重要なテーマなのです。
数十億年、数百億年のオーダーにも及ぶ長大な時間スケールを持つのが、地球や宇宙の歴史です。太陽をリンゴと見なしてピッチャーマウンドに置いたならば、地球はホームベース上のお米一粒に、一方、木星はセンター付近の芝生に転がったビー玉になるでしょう。この学問は空間的なスケールも超大なのです。そこで起こる諸現象はさまざまな要因がからみあっていて、単純な原理や法則では説明が極めて困難です。この広大で深遠な、謎とロマンに満ちた地球惑星科学に、皆様をよろこんでご招待申し上げます。
今回の展示では、地球および惑星の起源、初期地球の形成と進化、生命の起源と進化、現在の固体地球の姿とその動き、オゾン層の様子や気候変動との関係、宇宙天気、太陽と地球の相互作用など、九州大学で行っている研究成果をもとに地球惑星科学に関する研究の最前線を紹介致します。
|