螢石の標本は20個以上あり,各種の色調のものが揃っている.無色,白色,紅色,緑色,青色,紫色等である.多くは塊状または{111}の劈開片である.単結晶は生野鉱山,尾平鉱山,朝鮮産に見られる.
生野鉱山産はa (100)を主面とし,o
(111)面を伴っており,母岩の表面に径3cm以下の結晶が群生している.無色ないし淡紫色透明,ないしは淡青色透明である.
尾平鉱山産は8標本ある.ときに長さ1cm程度の群生した水晶と共出する径5〜10mmの美晶で,淡青色透明なものが認められる.多くはo
を主面とし,a およびd (110)の小面を伴っているが,a 面を主とするものも見られる.淡紅色のものもある.
青石頭理産は8標本あり,無色透明の立方体結晶のほかはいずれも塊状で,ときに色の異なる部分が縞をなすものが見られる.青,紫,緑,白,灰色である.
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