![]() |
|
生物は子を残すことによって次の世代へと生命をつないで行きます。でも、昆虫の中には、子を残さないメスがいつも存在する生物もいます。社会性昆虫と呼ばれる虫たちがそうです。この虫たちのメスは子を産むことに専門化した女王と子を残さないメスであるワーカー(働きアリ、働きバチ)にはっきり分かれています。 |
メスがいわば子を産む専門家である女王と子を残さないワーカーに分かれていることを繁殖分業と言います。女王とワーカーは同じ種のメスなのに形さえ違うことがあります。 |
このオオズアリの例では、女王 (a) とワーカー (cとd) の形態が違うだけでなく、ワーカーの間にも従事する仕事の中味と結びついた形のちがい (cとd) があります。 |
子を残さないという性質は非常に不利であり進化の過程の中ですぐになくなってしまうはずです。ところが、実際には多くの社会性昆虫が存在します。これはなぜでしょう。 ワーカーの存在は進化の謎として多くの学者の挑戦を受けてきました。進化論の祖といわれるダーウィンもその一人です。 |
ダーウィンは社会性昆虫のワーカーの存在は自分の理論への反例だと考えて、大きな問題だとしながらも解決には至りませんでした。しかし、今日の血縁選択とよばれる考え方にかなり近いことも思いついていたようです。 |
社会性昆虫には、アリや、ミツバチ、マルハナバチ、コハナバチ、ハリナシバチ、アシナガバチ、スズメバチなどのハチ、シロアリがいます。シロアリはメスだけでなくオスにもワーカーがいます。 新しい社会性昆虫は長い間見つかっていませんでしたが、アブラムシの中にも社会性昆虫が見つかっています。 |
ポスター担当 粕谷 英一 (Eiichi KASUYA)(理学研究院 生態科学講座・助教授) 緒方 一夫 (Kazuo OGATA)(熱帯農学研究センター・助教授) |