ダイヤモンドが語る惑星の歴史
History of a planet revealed by diamond formation

今から百年以上前の1888年に、ユレイライトと呼ばれる隕石からダイヤモンドが見つかりました。これは、隕石を酸で溶かしていった残りが、ダイヤモンドの次に硬いサフアイヤを傷つけたことから分かったものです。

ダイヤモンドは
どのようにしてできるの?

 私たちが住む地球では、天然のダイヤモンドは、地下深いマントルの高い圧力の下で、触媒や溶媒の助けを借りてできます。→ 触媒・溶媒作用 


 合成実験では、その他に、次の2つのでき方が知られています。
 ダイヤモンドの原料である炭素に非常に高速で物をぶつけたとき。→ 衝撃作用
 真空に近い条件でアルコールなどを分解し、金属などに蒸着させたとき。→ 気相成長(非平衡成長)


隕石の中のダイヤモンドを調べることによって惑星の歴史が分かる

触媒・溶媒作用 → 太陽系ができた45億年前、直径1000kmの月程度の大きな惑星が存在し、その中心付近でダイヤモンドができた後、破壊され隕石として飛んできた。

衝撃作用 → 太陽系ができた45億年前、惑星同士の非常に激しい衝突が起こり、惑星の中に含まれていた炭素がダイヤモンドに変化した。

気相成長 → 太陽系に惑星が生まれる前、惑星を作る元となったガスやチリの中で、激しい雷の作用によってダイヤモンドができ、惑星が出来るときに取り込まれた。


 私たちの研究室で発見された証拠から、ユレイライト隕石中のダイヤモンドは、マグマの中で結晶化したグラファイトが衝撃作用で変化したもの、ということが分かりました。
 しかし、ダイヤモンドが出来ているところには触媒として働く鉄が必ず見つかることから、衝撃の圧力は、地球でダイヤモンドが出来る圧力と同じ程度だったと考えられます。

パネル作成者: 中牟田義博(九州大学総合研究博物館) 

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