-
- エベレスト山頂のオルドビス紀石灰岩層とテチス堆積物起源の変成岩(上部の黒い地層)、およびそれに貫入した中新世の電気石花崗岩(下部の優白色部)。
-
- ヒマラヤ山脈の中核を成す変成帯の構造。変成帯の上限はチョモランマデタッチメント(QD)で、下限は MCT(主中央衝上断層)で画されている。両断層は変成帯の上昇期の22〜17Maに最も活動的であった。QDに沿ってテチス堆積物は30km以上北方に重力滑動する一方、変成帯はMCTに沿って南方に100km以上押しかぶさり、ナップ構造をつくっている。さらに、高度変成岩と低度変成岩は、ローツェデタッチメント(LD)とレッサーヒマラヤ衝上断層(LHT)で限られている。MBT:主境界衝上断層
-
- エベレスト北斜面南半分の地質断面。
YB: Yellow Band, QF: Qomolangma Formation, NF: North Col Formation,
RF: Rongbuk Formation, ic: injection complex.
-
- ヒマラヤ山脈およびチベット高原南部の4000m以上の高地には、北北東-南南西に走る活断層が数多く走っている。活断層に沿って地震も発生している。これらの活断層は、世界の屋根が西北西-東南東に引っ張られていることを示している。ヒマラヤ山脈を切って北北東ー南南西方向に走る活断層(正断層)、チャクレ断層。垂直変位量は20m以上。西ネパール、ジュムラ南東30km。
|
-
- (1)エベレスト北壁の登頂ルートとチョモランマデタッチメントの露頭位置。(2)標高8512m付近で発見されたデタッチメント断層の露頭。
-
- 横臥褶曲したジュラ紀の石灰岩層。かつてのインド亜大陸北縁の浅い海(テチス海)に堆積した生物遺骸と砕屑粒子からなる。中新世にヒマラヤの山稜が自重によって北側に滑動して形成されたと考えられている。
-
- 断層運動によって強く変形した、チョモランマデタッチメント直下のマイロナイト質花崗岩。非対称の白雲母フィッシュ(左下)や破断され回転した電気石(中央上、全長1.1mm)などの微少構造は、上盤のテチス堆積物が重力的に北北東に滑った証拠とみなされている。
|