宇宙天気の必要性
Alert to the 22nd Century!

■はじめに 〜太陽は爆発である!〜


 『宇宙天気』は、太陽・惑星間空間・地上観測を通じて地球周辺の環境を予測する事です。
 太陽は、磁場と高温のイオンガスを「太陽風」として吹き出し、その5%が地球磁気圏に取り込まれます。その電力は
5億kW(東京電力昨年夏の最大電力=6千万kW)
 太陽が穏やかなとき、太陽風は日常生活に影響を与えません。しかし、太陽が激しいときは「荒れ狂う嵐」と化し、地球磁気圏に猛威を振います。

■宇宙天気と人間活動 〜オーロラの神秘〜


 今太陽は極大期と言う時期にいます。その間、太陽嵐の影響は大きくなります。その際に飛び出る高エネルギー物質が人工衛星の高度を下げ、GPSを狂わせます。また送電線に大電流を流し大停電を起こしたり巨大なオーロラを日本上空まで光らせたりもします。

  前回の極大期にはカナダで大停電を引き起こし、数億円の被害を出しました。太陽活動を予測し、人間活動を円滑に進めるために宇宙天気への期待はさらに大きくなっていきます。


■宇宙天気と太陽系物理学 〜想像から実証の時代へ〜


 地球磁気圏の全貌が出来上がるにつれて、「宇宙空間での乱れが地球に影響している」事が分かってきました。そのことが『地球周辺の環境予測=宇宙天気』に繋がっていったのです。現在、多くの人工衛星や地上観測が地球周辺を監視しています。
 宇宙天気は始まったばかりです。実証的科学としての太陽系物理学がさらに発展すれば、近い将来メディアで「宇宙天気予報」が放送されるでしょう。

パネル作成者: 田中健太郎、佐野隆行、関悠子、小俣吉生、倉光亜美(理学研究院地球惑星科学部門
太陽地球系物理学研究分野/宇宙地球電磁気学研究分野)

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