- − 新エネルギーのさきがけ・九州の地熱 −
日本のエネルギーは薪や木炭の時代から、近代には石炭さらに石油・天然ガスへと変化してきました。21世紀の社会は、環境を大切にした生活の仕方を探そうとしています。エネルギーの大量使用はひかえたい。化石燃料や原子力だけでなく、もっと自然エネルギーを利用したいという期待が強くなっています。自然エネルギーには古くから利用されている水力のほか、地熱、太陽、風力、バイオマス、海洋などがあります。その多くは、資源の枯渇の心配が少なく、環境を汚染する程度が低い21世紀のエネルギー源といえます。
九州の地熱エネルギーは、九州大学をはじめとする研究機関の協力により、大分県の九重火山にある九州電力の大岳地熱発電所として1967年に発電利用が開始されました。これは、東北の松川地熱発電所に次ぐものであり、日本で最初の熱水をともなった蒸気を利用した発電として、自然エネルギー利用の先駆けとなったのです。地熱の利用は、いまでは世界全体で見ると800万キロワットという発電量を実現し、日本でも50万キロワットの発電ができるまでになりました。九州はそのうちの4割を占めていて、地熱エネルギーに恵まれた島であることが分かります。
-
-
|