化石
Fossils
T
現在、九州大学総合研究博物館には20万点以上の化石標本が保管されています。その起原は1939年の理学部地質学教室の開設に遡ります。爾来、B29による空襲や戦後の混乱の中で、先人達が黙々と続けた研究の成果が蓄積されました。国際動物命名規約で永久保管が義務づけられているタイプ標本等の「世界基準」が数多く含まれるのが特徴であり、2019年にそれらが博物館に集約された後も、閲覧のため国内外から多くの研究者が来訪しています。
中でも松本達郎の白亜紀アンモナイト化石コレクション約10,000点は白眉で、日本最多の115点のホロタイプや、皇居内に化石を持ち込んで昭和天皇へご進講した時の「天覧標本」などが含まれます。
他方、秋吉台など各地の古生代化石も豊富で、とりわけ鳥山隆三、勘米良亀齢、渡辺耕三らによるフズリナ化石の薄片(プレパラート)約16,000点は非常にユニークで、研究論文と併せ現在でも高い利用価値を有します。
2012年以降、これに現役教員の研究試料が加わりました。例えば戦後初のサハリン地質調査によって日本に持ち帰った白亜紀アンモナイト化石は,全体で重量約5トンに及びます。
さらに、2018年度に九大初のクラウドファンディング「九州大学オール・アンモナイトプロジェクト」を立上げ、研究・教育用に収集した世界各地の様々な時代のアンモナイト化石が新たに収蔵されています。
[敬称略]